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【MDG7】**スタッフブログ** きれいになって、アフリカの女性を助ける?

前回に引き続き、今回ブログも大妻女子大学3年生の栗原さんに執筆いただきました。あるアンケート調査によると、日本女性が一カ月に美容にかける金額は1万7,980円という結果が出たそうです。今回はそんな美容関連に着目して書いてくれました。ぜひご一読ください。


 

あるアンケート調査によると、日本女性の一カ月に美容にかける金額は1万7,980円という結果に。その中で一番大きな割合を占めていたのが、スキンケアです。

最近ではスキンケアでも、肌に負担が少なく自然のものを求める女性が多いせいか、よく目にするのが“オーガニック”という言葉。その中でも注目されているのが“シアバター”です。きっと知っている人も多いはず。私もシアバター製品を使ったことがありますが、次の日の化粧のノリの良さに驚きました!!!

 

シアバターとは?

シアバターとはシアバターノキの種子から取った植物性の脂肪オイルです。原産国はアフリカ中部。主にナイジェリア、マリ、ブルキナファソ、ガーナなどで様々な所で役立ち、現地では万能薬として、食用オイル、傷や火傷から守る薬、また、髪の毛や肌に塗り乾燥から守る為のクリームとして使用されてきました。シアバターは固形ですが、肌に塗ると体温で溶けて液状になり、ゆっくりと肌に浸透していきます。その保湿効果は非常に高いです。

 

シアバターができるまで

シアバターノキの寿命は200年。木は花を咲かせるまでに20年、実をつけるまでに20年もかかります。また、実をつけるのは3年に一度と言われています。

まず、熟れて木から自然に落ちた実をタライにのせ拾い集めます。その果実から種子を取り出し、茹でて乾燥させ、仁(種子の中のと胚乳)を取り出します。この作業に3日間かかることもあるそう。

その後、取り出した仁をつぶして、鍋でじっくり焙煎した後は、少量の水を加えながら手で根気よくこねながらペースト状にしていきます。ここから更に、水を加えながらホイップ状になるまで混ぜていきます。

ホイップ状になったものを鍋にかけ不純物を取り除く為に煮詰めます。不純物は下に沈み、上層に浮いた脂をすくいとります。

そこから除々に純度を高めていきます。さらに煮詰めて同じ作業を繰り返し、脂を固め、ようやくシアバターの完成。

地域によってはシアバターの製造工程は多少異なります。けれどシアバター製造は根気のいる作業。最近では機械が用いられることもあるようですが、シアバターを作る中で自身の手の感覚を頼りに作業をする女性も居ます。その為こうした作業を全て女性たちの手によって行う地域もあります。

 

シアバターを使うことで

シアバターの精製作業はほとんどが現地の女性によるもの。こうした女性たちが、各国の業者との取引し、ビジネスを結ぶことで、安定した収入やビジネスの基礎知識、地域社会での発言権を得られます。また、国際連合開発計画(UNDP)は2007年に日本の支援を受け、「北部ガーナにおけるシアバター産業支援を通じた現地女性のエンパワーメントと貧困削減」プロジェクトが2年間行われました。こうした活動も女性たちの生活水準向上へと繋がったそうです。

 

これから

シアバターのように、良いものは時代や国を越えて、伝わり、使用されていくものだと実感しました。

しかし、シアバターの原材料であるシアバターノキは自然資源なので限りがあります。乱獲などでその資源がなくなってしまったら、意味がありません。また、シアバターが一時的なブームになってしまっても、女性たちの継続的な収入創出につながらないので好ましいことではありません。今後は、こうしたシアバター産業が持続的な利益を出していくことが大切だと思いました。


文責:大妻女子大学3年 栗原亜実