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【MDG8】**スタッフブログ** 買物で社会貢献 -Cause marketing-

私はmudefスタッフとして働き始める前に、一般企業で3年働いた経験があります。将来的には国際協力の仕事に就きたいと考えていた私は、その3年間、少しでも国際協力に関わり続けたいとずっと考えていました。

毎日終電前後に帰宅する生活で、土日も休みがあまりなかったため、国際協力団体の活動に携わることは難しい。かといってまとまった金額で寄付を続けられるほどの余裕もない…。そんな時に知ったのが「コーズ・マーケティング(Cause marketing)」という考え方でした。企業の販売促進に関わる仕事をしていたこともあり、なにか面白いキャンペーンの事例はないだろうか、と探していた時に知ったこの手法に、感動したのをよく覚えています。

 

コーズ・マーケティングとは

コーズ・マーケティングとは、何かの商品を買うと、その購入代金の一部が貧困削減、環境保全、教育支援等の活動のために役立てられるマーケティングを指します。ボランティアなどの慈善活動と異なるのは、最終的には企業のイメージアップ・収益拡大を目的としていること。

企業にとっては直接的には利益率を下げることとなってしまいますが、イメージアップやそれに付随しての売り上げアップ、従業員が働くインセンティブにつながり、結果として「企業価値」を高めることが期待されます。

また消費者にとっても、社会貢献活動に手軽に参加でき、購入を通じて社会の役に立ったという「心の満足」が得られます。

そしてコーズ・マーケティングが対処とする支援を受ける人にとっては、問題解決のための資金が得られるだけでなく、問題に対する意識を高めてもらうことにつながります。このように、3者がWIN-WIN-WINの関係を築ける仕組みになっていると考えられているのです。

 

自由の女神を救ったキャンペーン

初めてコーズ・マーケティングを世に知らしめたのが、アメリカン・エキスプレスの1983年のキャンペーン。アメックス会員がカードを1回使うたびに、1セントを「自由の女神」修復のための資金として寄付します、と謳ったキャンペーンでは、カード会員数は45%、カード利用は28%増加。そして、自由の女神はアメックスから修繕費用として170万ドルを寄付してもらうことができました。

このキャンペーンの成功によって、コーズ・マーケティングという手法が広く知られることとなりました。

 

日本で著名な例は、Voivicの「1L for 10L」プログラムです。

これは、「Voivicの買い上げ1リットルあたり10リットルの水をアフリカへ届けます!」とうたったキャンペーンで、わかりやすさで非常に大きなインパクトがありました。Volvicの売り上げの一部が日本ユニセフ協会を通じて、アフリカで飲料水を確保するための井戸づくりと10年間に渡るメンテナンスを行うことに寄付される企画。元々は純粋に自分たちができる支援として開始された取り組みですが、結果的に売り上げが伸びたことで、多くの企業が注目するようになりました。

mudefの前身であるChild AFRICAでは、2009年4月に「1L for 10L」プログラムの支援でユニセフが実施する、水と衛生の事業を視察しに、西アフリカのマリを訪れたことがあります。

詳しくは報告書でも紹介しましたが、視察を通じて改めて、教育と衛生の深い関係を実感しました。学校で学び、知識を得る中できれいで清潔な水を使う意義と重要性が理解できること。理解することで自分や家族の健康を守ることにつながること。その結果、子どもたちが学校に元気に通えること。衛生と教育はつながりあっていました。

普段何気なく買っている水を通じて国際協力に関われる!というのは、私にとってとても新鮮な驚きがありました。

◆Child AFRICAのマリ視察報告はこちら→ http://www.mudef.net/contents/pdf/ca-report-05.pdf

 

震災後の変化

その当時日本ではまだまだ事例の少なかったコーズ・マーケティングですが、2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震以降、徐々に増えつつあるように思います。今回の大震災では、買い控えるのではなく、消費を通じて経済を回して行こう、という動きが各地で見られました。

復興には長い道のりが予想される中で、息の長い支援が求められています。その点で、コーズ・マーケティングの推進を通じてより多くの人が簡単に参加できる仕組みが求められています。

「1人の100歩より100人の1歩」という言葉があります。問題に関心の高い少数の人が頑張るよりも、多くの人が問題意識を持って少しずつアクションを起こすことのほうが、大きな意義が生まれます。例え大きなことはできなくても、関心を持ち続けることが大切です。

 

皆さんもぜひ、日々のお買いものの意識をちょっと変えることから始めてみませんか?

 

こんな本もおススメです。

野村尚克『世界を救うショッピングガイド―Causebrand Handbook』 サンクチュアリ出版、2009年

 


 

文責:立花香澄