【MDG7】**スタッフブログ** シマシマの危機
2011.09.22
私の会ってみたい動物TOP3の1つに、「オカピ」という動物がいます。横浜にある動物園に遊びに行った友達から来たメールの添付写真に写っていた、見た目は馬のようなのに、足だけシマウマという変わりもの。馬なの!?シマウマなの!?…なんて思っていたら、実はキリンの仲間だそうです。その脚のしま模様が美しいことから、森の貴婦人(!)などと呼ばれたりしているのだとか。
【オカピ】
その写真を見て以来虜になったオカピ。見れば見るほど不思議な動物ですが、実はオカピの逆バージョン、身体が馬で、顔だけシマウマ、という動物がいました。それが「クアッガ」です。
「クアッハ!クアッハ!」という不思議な鳴き声からこの名前がつきました。
【クアッガ】 ※宮川アジュ氏画
クアッガの絶滅
南アフリカ共和国の南部に生息していたこの「クアッガ」ですが、1882年に絶滅してしまいました。一番大きな原因は、人間による乱獲です。
クアッガは、私たちが持っているシマウマなどの草食動物のイメージとは異なり、かなりたくましい動物でした。前足のキック力は強く、襲われた時の反撃の武器としてかなり有効で、ピンチになると噛みつく時もありました。何より走るのがとても速かったので、そう簡単に肉食獣に捕まることがなかったと言います。
ちなみに、シマウマを初めとするこの動物たちに共通のしま模様は、仲間を見分けるための目印なのだそうです。このしまをよく見ると、同じシマウマの仲間でも少しずつ違っており、この模様の違いで群れを作るときや繁殖するときに仲間を見分けるのだそう。
また、特に群れになっている時には、このしまが重要な役割を果たします。なぜなら、たくさんのシマウマがひとかたまりになっていると、1頭1頭の境が分からなくなり、ただのしまもようの景色となってライオンやヒョウなどの天敵に気づかれずにすむという目くらましの役割を担っているのだとか。個としてはわからなくなりそうですが、全体としては目立つのでは…?という気もするのですが。
しかしシマウマと違い、オカピやクアッガがなぜ体の一部のみシマシマなのかはわかっていないそうです。
そんなクアッガの生存能力も、鉄砲を携えた人間にはいっさい通用しませんでした。1800年以降、移住してきたボーア人による乱獲であっという間に絶滅してしまいました。
ボーア人は、自分たちは食べなかったのですが、クアッガの肉を農場で働く人夫の食料にしました。牛肉と羊肉の間のような味でとても美味だったとか。丈夫で軽い皮は食料を入れる袋になり、珍しい毛皮も人気で、盛んに売買されました。肉、皮、毛皮と全てにおいて利用価値が高かったクアッガは、そうして次々と捕獲されたのです
野生のクアッガは1861年に射殺されたのを最後に途絶えてしまいました。飼育されていたクアッガも1883年にアムステルダム動物園で死亡。たくましく生き抜いてきたクアッガも、人間という最大の敵によって、あっという間に絶滅させられてしまったのです。絶滅までの年数は、クアッガが人間と出会ってから、わずか100年程度でした。
オカピの危機
クアッガに続き、実はオカピも、準絶滅危惧動物に指定されています。準絶滅危惧動物とは、数はたくさんいるため、すぐに絶滅してしまう心配はないのですが、環境の変化にとても敏感なため、何か大きな変化が起きた時に一気に絶滅してしまう可能性のある種、ということです。
オカピの絶滅が危惧される最大の原因は、コンゴ民主共和国の絶え間ない内戦です。 内戦による森林破壊だけでなく、紛争によって土地を追われた多くの難民が、森林の奥深くに住み込み、焼畑農業などで森を切り開きます。さらに、オカピなどの野生動物は食料として捕獲されることになりました。政情が不安定であると密猟も横行し、保護活動にも支障がでているのです。
さらに、絶滅の危機にさらされる原因の1つは、私たち日本人の生活にも密着している携帯電話やパソコンの普及と深い関係があります。
携帯電話などのバッテリーには、レアメタルという希少金属が使われています。このレアメタルの世界有数の採掘地が、コンゴ民主共和国の周辺なのです。ここ数年の目覚ましい携帯電話の普及にともなって、レアメタルの需要が高まりました。その採掘の為の道が、森を分断して作られるようになりました。
森に道を1本通すだけで、生態系のバランスは大きく崩れてしまいます。移動経路が妨げられたことで、餌場への道が失われたり、繁殖相手を捜す範囲が狭められ、近親交配による遺伝子劣化がおこり、何十年後かには絶滅…などということもあります。
私たちの生活が絶滅の一端を担う
日本ではもともと動物園でしか見られない生きものが多いですが、それらの中にも絶滅が危惧されている動物はたくさんいます。そしてその絶滅の一端を担っているのは間違いなく私たちです。遠い国の動物であっても、日本が無関係であることはほぼないと思います。毎日の生活で意識することはなかなか難しいですが、携帯電話を持った時、動物園に行ったとき、その影響を少しでも考えられたらいいと思います。
文責:立花香澄





