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MDGs blog

【MDG3】**スタッフブログ** 晩婚化が示す希望

中学校からの友人が子どもを産んだので遊びに行ってきました。同じ部活だった友人の中でも、一番のんびりしていて、面白いことをやらかしてはみんなに突っ込まれていた彼女。お母さんになるという想像がもっともつかなかった子なので、赤ちゃんを抱っこしている姿はすごく新鮮でした!
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進む晩婚化

20代後半になって、部活仲間6人のうち、結婚して子どもを産んでいるのは彼女1人。晩婚化が進んでいることを実感します(笑)。

それが良いか悪いかはおいておくとして、日本だけでなく晩婚化・非婚化は世界各地で見られます。先進国で進んでいるイメージが強いですが(上昇率が高いのは先進国であることは確かなのですが)、スーダン、マレーシアといった途上国でも見られており、世界的な現象となっているようです。

 

晩婚化≒?

こうした現象は多くの研究によって、女子教育の波及効果が大きいことが実証されています。

途上国では文化的な慣習から、日本では中学生にあたるような幼い年齢で結婚し子どもを産むことが当然と見なされている国もあるからです。初等教育だけではなく日本の中学、高校にあたる中等教育機関へ、さらには大学へ進学する女性が増えることで、さらに初婚の平均年齢は上がります。避妊や出産に関する知識を得ることで、望まぬ妊娠の末の結婚が減ることも理由のひとつにあげられるでしょう。


MDGs(ミレニアム開発目標)の8つの目標のうち、2番目の目標は「普遍的初等教育の達成」。世界の初等教育就学率は、大幅に改善されてはいますが、それでも未だに10人に1人の割合で小学校に通えていない子どもが存在し、そのうちの半分以上は女子です。

 

バングラディッシュの努力

そんな中、バングラディッシュからとても明るいニュースが届きました。ジェンダー格差の撲滅を積極的に進めるバングラデシュで、昨年に引き続き初等教育への就学で女子が男子を上回る見込みだとのこと。

2000年以降、バングラディッシュで教育分野を管轄する初等大衆教育省主導のもと、女子教員の雇用やNGOの参画促進、現金補助金の支出などを行ったことが大きいと考えられています。

女子教員がいることがなぜ女子の初等教育へ影響するのかはわかりづらいかもしれません。

女子教員がいることは、女性が教員として将来活躍できる可能性があると解釈され、学校へ通わせることを渋る親を説得する大きな理由になります。男性教員しかいない場合よりも、親が安心して娘を学校に通わせることも分かっています。

また、通学距離が短ければ短いほど、幼い子どもにとって、継続して学校へ通うことが容易になりますが、そのためには学校数を増やすことが必要となります。その条件から、同国でNGOが運営するノンフォーマルな学校が増えたことも、就学率には大きな影響を及ぼしています。さらにノンフォーマルな学校の教師の多くは女性です。教師不足が多くの国で課題となっている中、女性の教師が活躍することは、学校を増やす過程で非常に重要です。

社会的にも宗教的にもジェンダー格差が大きいとされるバングラディッシュでは、こうした試みは非常に画期的であり、女子教育の普及に大きな貢献を果たしています。

 

未来の鍵を握る女性

読み書きのできる母親は、子どもに予防接種を受けさせる可能性が50%以上高いという統計資料があります。それだけ女性が教育を受けるということは大きな意味があるのです。多くの国や地域では、子どもの養育にあたるのが女性と考えられている中、女性が教育を受けて適切な知識を身につけることは、家族の健康や家計の発展、乳幼児死亡率の低下に直結しているのです。

女子教育は、MDGs達成を目指すにおいて重要で効果的な施策です。そしてジェンダー格差の大きな途上国においては、晩婚化は女子の教育普及のひとつの指標であるとも言えます。

 


 

文責: 立花香澄