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【MDG8】**スタッフブログ** ピアスと社会問題

私はピアスが大好きで(というのもおかしいのですが…)、指輪やネックレスはほとんど持っていないのにピアスだけは頻繁に購入してしまいます。顔が地味なので(笑)比較的大ぶりな、顔周りでアクセントになるようなものを特に好んで買うのですが、先日購入したピアスがとても面白いものだったのでご紹介します。

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エシカルなピアス?

エシカルジュエリー、という言葉をご存知でしょうか?

エシカル(ethical)とは、「道徳上の」とか「倫理的な」などを意味する言葉です。近年英語圏においては、環境や社会に配慮している様子を表すエシカルインベストメント(倫理的投資)やエシカルコンシューマー(倫理的消費者)、といった少し踏み込んだ意味を持つようにもなりました。

ジュエリーと、環境や社会に配慮して作られる、ということがあまり結びつかないかもしれません。ジュエリーが生み出す社会問題は、車の排気ガスのようにわかりやすいものではないからです。

しかし、ジュエリーが作られるまでには多くの社会問題が生まれています。

 

ジュエリーと社会問題

たとえばダイヤモンドなどの宝石の採掘。鉱山での児童労働は国際的に取り上げられ、批判されています。国際労働機関(ILO)の公表によると、鉱山労働に従事する子どもは100万人に上ります。子どもたちが厳しい環境で採掘しても、村鉱物は安く買い叩かれ、子どもたちの収入はわずか、という構造が生まれています。

採掘に伴う薬物による環境汚染も深刻です。人体に有害であるだけではなく、周辺の環境への負荷も大きなものとなっています。

さらに、映画「ブラッド・ダイアモンド」でも取り上げられたように、ダイヤモンドの利益が暴力組織に流れたり、ダイヤモンドをめぐる争いに子どもたちが、少年兵として利用されることもあります。

エシカルジュエリーとは、児童労働や環境汚染などに配慮し、さらに環境に優しいとされている素材を使ったり、適正な価格で材料を購入して作られるジュエリーをさします。最近日本でも少しずつ注目されるようになってきました。

 

ピアスから広がる取り組み

今回何気なく購入したピアスは、このエシカルジュエリーのピアスでした。しかし購入するまでエシカルジュエリーとは知らず、大ぶりでかわいいな、と思い購入したものでした。

「ファッションを楽しむ」ということは、発展途上国の支援とは全く正反対なもののような気がします。しかし、途上国の問題に興味のないような人が少しでも興味を持ってもらったり、意識はしてなかったけれども、結果的に支援につながっていた、というような仕組みは、ジュエリーに限らず増えつつあります。私たちにとっても、気軽に参加できる仕組みでもありますね。

「途上国のために」ジュエリーを購入する、というよりは、「かわいい」と思って購入したら途上国のサポートを必要とする人に貢献できた、そんな取り組みに、これからも注目していきたいと思います。

 


 

文責:立花香澄