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【MDG7】**スタッフブログ** 地球サミット開催へ

最近、近所の小学生と話す機会があったのですが、校庭での雪遊びをしたことがないことに驚かされました。私が小学生のころ、雪が降った翌日は、午前中いっぱい校庭に積もった雪で雪だるまを作ったり転げまわって遊ぶような日が年に何回かあったものでした。しかし最近では、「雪は舞うもので積もるものではない」のだそうです。

また、梅雨の季節に入った今、改めて感じるのは、かたつむりをほとんど見なくなったこと。環境の変化によって、近年市街地ではほとんどかたつむりは見られなくなってしまったようです。

 

地球サミット開催

2012年6月現在、日本の反対側、ブラジルのリオデジャネイロでは、地球サミット(国連持続可能な開発会議)が開かれます。

Rio+20とも呼ばれる地球サミットは、10年に一度、世界各国のリーダーが集まり、地球の未来について話し合う国連最大級の会議のこと。1992年にリオデジャネイロで開催されたのが始まりです。

1992年に始まった地球サミットは、その後の人類の環境や貧困への取り組みに、大きな影響を与えました。mudefがSATOYAMA BASKET等の活動で紹介している生物多様性について取り扱う生物多様性条約や、気候変動枠組条約等、現在の環境政策の基本枠組みは、まさにここから始まりました。「持続可能な発展」というキーワードをもとに、経済成長のみを目標とする世界のあり方に疑問が生まれたのです。

 

伝説のスピーチ

1992年当時、わずか12歳だったセヴァン・スズキさんが、「伝説のスピーチ」を行ったのもこの会議でした。

「オゾン層にあいた穴をどうやってふさぐのか、あなたは知らないでしょう。死んだ川にどうやってサケを呼びもどすのか、あなたは知らないでしょう。絶滅した動物をどうやって生きかえらせるのか、あなたは知らないでしょう。どうやって直すのかわからないものを、こわしつづけるのはもうやめてください。」

このスピーチを初めて聞いたときの衝撃は今も忘れられません。こんな当たり前のことを、見失ったまま走っているのが今の世界なのだな、と。

※スピーチ全容はNHKのサイト等で紹介されていますのでぜひ一度聞いてみてください。 スピーチ映像

 

20年前に見た未来

今回の地球サミットは、各国が取り組んできた20年の結果を振り返るものです。この20年、人々の環境意識の高まりや、エコ製品の普及も目覚ましいものがありました。しかし一方で、世界で5人に1人が1日100円以下の生活を余儀なくされ、1日に100もの生物種が失われているのです。

「気候変動」や「生物多様性」という言葉はとても難しく聞こえます。しかし実際は、冒頭で紹介した、私たちがの身の回りの変化のことです。遠い国の出来事でも、未来の話でもありません。

「どうやって直すのかわからないものを、こわしつづけるのはもうやめてください」当時12歳だったセヴァン・スズキさんが行ったスピーチが、いまだに伝説のスピーチとして色あせずにいるという事実を、私たちはもっと真剣に考える必要があります。

 


 

文責:立花香澄