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【MDG7】**スタッフブログ** シカ肉で環境保護!?

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皆さん、シカのお肉って食べたことありますか?

私は1度だけ、ジビエ専門店で食べたことがあるのですが、シカって食べられるんだ、と驚いたくらいなじみの薄いものでした。

 

鹿を食べる

昔は日本でも、肉、と言えばシカの肉を指すくらいに一般的なものでした。しかし仏教の影響で江戸時代に制限された肉食が明治時代に解禁された際、牛肉や豚肉は食べるようになってもシカ肉を食べるという習慣は復活しませんでした。そのため、シカの肉を食べる、という文化が失われたと考えられています。

シカを狩猟して食べることが習慣として無くなったり、また天敵であるオオカミの絶滅など様々な要因により、日本に生息するシカの数は過去20 年間で70 %も増加。増えすぎたシカはエサを求めて畑を荒らし、樹木の皮を剥ぎ、深刻な農業・林業被害をもたらしています。また、開発によって建設された道路を横切ろうとしたシカと車の接触事故も大きな問題になっています。

そうした現状を受け、北海道では、増えすぎたエゾシカの数を減らすために狩猟の規制緩和や有害駆除の奨励などを行っています。北海道では年間5万~7万頭ものエゾシカを捕獲していますが、その大半が何にも活用されないままに自治体の費用をかけてただ廃棄されているのが現状です。

こうしたエゾシカを貴重な資源として有効に活用するため、衰退した鹿肉を食べる文化を見直そう、という動きがあります。その1つが、「エゾシカ協会」が関係機関や民間事業者などとともに取り組んでいる「エゾシカ肉認証制度」です。

 

エゾシカ肉認証制度

エゾシカ肉を扱う食肉処理工場を協会の専門検査員が厳しくチェック。正しい処理を行い、厳しい衛生基準をクリアした工場のみが製品(食肉)に推奨マークを使用できるというもの。

シカ肉は、カロリーは牛肉・豚肉に比べて約3分の1、脂質は10分の1以下なのに、タンパク質は約2倍、鉄分は3倍(牡蠣と同じくらい!)と栄養面でとても優れているのが特徴です。ダイエットにもよさそうですよね…

さらに、女性向けサプリメントなどでも注目を集めるドコサヘキサエン酸が含まれ、アミノ酸やミネラルバランスに優れているのだとか。そのためフランスなどのヨーロッパ地域では、高級食材として知られています。

シカ肉は「硬く匂いがきつい」という評価も多く敬遠されがちですが、これは血抜きが悪いなど処理方法に問題があるのだとか。実際は柔らかく匂いが穏やかという特性をもつ鹿肉を、おいしく食べてもらうために生まれた制度でもあります。

 

シカ肉を食べて環境保護?

シカ肉を食べる人が増え、経済的価値が上がることが鹿猟促進につながり、その利益はシカの生息数を管理する費用へと役立てられます。シカ肉を食べることは、環境保護にもつながるのです。

皆さんもぜひ、この循環に参加してみてくださいね。

 


 

文責:立花香澄