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【MDG2】**スタッフブログ** 戦う子どもたち

今回のブログは大妻女子大学3年生の矢部さんが書いてくれました。日本に暮らしているとほとんど知る機会のない子ども兵士についてです。ぜひご一読ください。


毎日が死と隣り合わせの子どもたちがいるなんて、想像できますか?
世界では300,000人もの子どもたちがなんらかの形で戦争に参加しています。

 

子ども兵士とは?

1997年に南アフリカのケープタウンで行われた子ども兵士の会議で「子ども兵士」はこ以下の定義がされました。

『子ども兵士は、18歳以下の市民で、軍の規模に関わらず、すべての軍や武装グループに戦闘や雑務など何らかの形で関わっている者、例えば、料理係、伝達係、荷物運びなど。また、そのグループの構成は家族ではなく、他の子どもや大人によって編成されている。もちろん、その中には、女子に対するものも含まれるが、ほとんどの女子は、軍や武装グループに性的目的で連れてこられれ、強制結婚をさせられるが、これも子ども兵士と定義される。
子ども兵士”とは、武器を持っている、持っていないに関わらず何らかの形で軍や武装グループに参加している全ての子どものことである』

子ども兵士は、特に中東やアフリカで戦争や紛争にかかわりつづけています。アジアで言えば、ミャンマーが、世界で最も子ども兵士が多い国の一つと言われています。

子ども兵士については、1989 年に国連総会で採択された「子どもの権利条約」をはじめ
として、さまざまな国際条約が制定されています。また多くの国の国内法でも、子どもを兵士として召集することを禁じていたりと、政府や国際機関、NGOなどによって様々な手段が採られています。しかしそれでも、世界のあちこちで子ども兵士が政府軍を含む武装勢力に参加しているのが実情です。

日本では未成年者が軍隊に所属することは認められていません。なので、私たちにとって「子ども兵士」という言葉は馴染みがありません。しかし、国際会議で定義が定められるほど、子ども兵士の問題は深刻なものなのだと驚きました。

 

子ども兵士の需要

大人に比べて力が弱く、知識も少ない子どもを兵士にする理由はいったい何でしょうか。
1つは、武器の小型化があげられます。昔の大きく重い武器に比べて、現在は小型で殺傷能力の高い武器が手に入るようになりました。なので力の弱い子どもでも簡単に扱えるようになったのです。
また、従順で、忠誠を尽くすため、大人より好まれるケースもあります。さらに、子どもたちは善悪の判断がついていないので思想的に操りやすく、残忍な兵士へと育てることができ、大人よりも簡単に連れてこれて暴動を起こすこともないと考えられています。
子ども兵士というシステムは、子どもの純粋な心や非力さを逆手にとっているのです。

また、女の子は兵士の性的対象となることもあります。彼女たちはレイプされて発育未発達の状態で妊娠してしまうことがあります。このような被害を受けた少女たちは、解放された後も実社会に再び溶け込むのは難しく、売春婦として生計を立てる者も少なくないのです。

国際法では、18歳未満の子どもが強制的に徴兵することは認められていません。しかし、紛争が多い地域では多くの子どもたちが強制的に徴兵されています。このため拉致されて傷ついた子どもたちの心のケアを、支援機関によって行われています。

日本の子どもたちが学校に行って勉強したり遊んでいる今この瞬間にも、世界のどこかの前線では少年少女が銃を持ち戦場に立っています。

私たちは、平和な国に住む人間として、せめてこのような悲惨な事実があるということだけは忘れてはいけません。そして、今の生活があることに感謝しなくてはなりません。

 


文責:大妻女子大学3年 矢部遥佳