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【MDG7】**スタッフブログ** 電気のある生活

2年前、東日本大震災の影響で、私が住んでいる地域でも、計画停電という電気の使用が制限される生活を経験しました。実際に電気のない生活をしてみると、携帯の充電も心配だし、テレビも音楽もつけられないし、とたった数時間でもとても不便に感じ、特に何をするわけでもなく家の中で過ごしていました。普段私達が1日を過ごす中で、一度も電気を使わずにその日を終えることはありません。冷蔵庫なんて24時間稼働しているし、街灯があるおかげで、日が暮れても安心して通りを歩くこともできます。考えてみれば、必要のない電力もたくさん使用しているように思います。

 

電気のない生活

しかし、世界には14億人の人々が電気のない生活をしています。電気が届かない多くの地域では、電気の代わりに薪で火を焚いて、料理をしたり暖を取ったりします。一見すると生活に支障がないように思う人もいるかもしれません。しかし、電気がないということは、貧困に関わる様々な問題に影響するのです。薪を集め、家の仕事をしなければいけない子ども達は、学校に行きたくても行くことができません。また、薪などのバイオマス燃料を家の中で使用することで発生する煙は、人体に影響があると言われていて、その影響を受けやすいのは家の中にいる時間が多い女性と考えられています。そして薪を集めることが森林伐採に繋がり、環境破壊を引き起こしている地域もあります。

 

電気がもたらす変化

電気があると生活はどのように変化するのでしょうか。

薪などを集める仕事から解放されることで、子ども達は家の仕事以外のことに時間が使え、学校に通える子どもが増えると考えられます。夜間に仕事をすることもできるようになります。また、夜道に街灯があれば犯罪などの危険は緩和されますし、女性たちが夜にトイレに行くの襲われる危険も少なくなります。医療の面でも電気を必要とする医療機器が使用できることでたくさんの命が助けられることも期待できます。教育や医療の充実は、途上国が貧困から脱却するためにはとても重要です。電気が安定して供給されることも、普及する上では大切です。

 

私は、電気といえばイルミネーションや夜景など人々を魅了するものを想像してしまいました。しかしそれは電気が当たり前に存在する上での贅沢だったのだと考えされました。電気は、勉強ができる、本が読める、学校に行けるという私達にとって当たり前のことを当たり前にできる環境を作ってくれているのだと感じました。

もちろん電気が使えるというだけで貧困から抜け出せるほど簡単なことではありませんが、解決に近付く一歩なのかもしれません。

 


 

文責:大妻女子大学3年 宮本奈央美