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MDGs blog

【MDG1】**スタッフブログ** アフリカのインフォーマルセクター

 

2000年から2010年の間に、最も経済が成長した国トップ10のうち6カ国はアフリカからランクインしており、アフリカの経済成長は著しいものがあります。2012年現在のアフリカの経済成長率は約5.4%(IMF)。経済成長が続くアフリカは、援助の対象から投資の対象へ、変わりつつあります。

そんなアフリカ諸国では若者の人口比率が高く、15歳から24歳までの若者は2億人以上。そしてその若者達は、アフリカの労働年齢の40%を占めます。このことは、アフリカの市場の成長の可能性を示唆するものです。

 

失業率60%

経済成長著しいアフリカですが、一方で、「アフリカの経済見通し2012」によれば失業率は約60%、約4000万人の若者が失業し、2200万人が仕事を探すことをあきらめている、という報告がなされています(AEO)。

この数字を見ると、経済成長が若者の雇用に結びつかないようにも思えます。

一方、しかもここでいう失業者とは、GDPなど経済統計から漏れている若者のを意味します。統計上の対象から零れ落ちている、日銭稼ぎなど政府が税金を徴収しにくい小規模な仕事は含まれていません。このような小規模の仕事はインフォーマルセクターと呼ばれ、政府に事業者登録をしていないため、様々な統計に反映されてきません。

都市化が急速に進むアフリカでは、農業を除くインフォーマル経済は雇用の4分の3を占めています。そのため、若者の失業者の実態は数字上だけでは把握できていないのが現状です。

 

インフォーマルセクターと若者

貧困や経済発展を考える上で、インフォーマルセクターの立場が注目されています。低賃金労働は、貧困をさらに増加させるという意見や、インフォーマルセクターの質を高めないと、アフリカの経済を更に発展させることは難しいなどという意見を目にしました。アフリカ全体のインフォーマルセクターの比率は高いため、今後、インフォーマルセクターの詳細な分析を通じた、アフリカの経済の現状の理解と、若者の就業状況を知ることが大切なのだと思います。

2億人以上いる若者の生活を成り立たせるうえで、インフォーマルセクターは今後拡大することも想像されます。数字だけではわからない、アフリカの現状をもっと調べていきたいと思います。

 

※このブログでの「アフリカ」は、「サブサハラアフリカ」を指します。

 

文責:大妻女子大学4年 宮本奈央美