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【MDG7】**スタッフブログ** 新たなビジネス、ソーラー充電キット

アフリカでの携帯電話普及率は年々高くなっており、2000年に2%だった携帯電話の普及率が、2011年には63%に達しており、アジアに次いで2番目に大きい市場と言えます。目覚ましい普及傾向の反面、電気の普及は地域によってばらつきがあります。自分の住んでいる地域に電気が通っていなくても、携帯電話を利用する人は増えており、そういった人達は乾電池式の充電器で充電をしていることが多いそうです。

そんな電気事情に目を付けた新しいビジネスとして、携帯電話のソーラー充電キットが話題を呼んでいます。

 

ソーラー充電キット

南アフリカとスワジランドで“アフリカ人のためにアフリカ人が開発した”ソーラー充電キット「eChaja」は、持ち運び易いように、肩から掛けられる仕様で、赤・青・黄色・白・緑・オレンジとカラフルに色分けされた6つの充電箇所がついています。色分けは、誰がどこで充電したのかを分かりやすくするための工夫です。

この充電キットは、市場や売店などに向けて開発されたもので、充電キットを購入またはレンタルし、時間に合わせて利用者から充電料金を取る仕組みです。一部の地域ではサービスが開始しています。

電気が通っていない地域での活躍が期待されるアイテムであり、無駄なコードが無いためどこにでも持ち運びができます。また、使い捨ての乾電池で充電するよりエコで環境にも優しいのです。

 

携帯電話ビジネス

 アフリカの携帯電話普及率の成長に伴って、最近では、様々な携帯電話ビジネスが進められています。例えば、携帯電話に音楽を簡単にダウンロードできるサービスを提供しているアメリカの企業が、ナイジェリアに参入したり、世界カカオ財団で行われているカカオ生産向上プロジェクトでは、カカオの生産量が高い西・中央アフリカで重点的に携帯電話を使った情報提供サービスを実施しています。携帯電話に音楽をダウンロードする、携帯電話で情報交換をするといったことは、日本となんら変わらない光景です。

携帯電話を持つことで人々の生活は変化します。携帯電話で遠くにいる家族や知人とのコミュニケーションが取れるのはもちろんですが、農家にとっては、市場に行かなくても携帯電話を利用して農作物の適正な価格が把握でき、仲買人と交渉で適正な価格で販売することができます。それだけでなく、今どんな作物が市場で需要があるのかも知ることができます。

 

電力の供給は、アフリカだけではなく開発途上国において、産業や経済の発展、住民生活の向上などには不可欠です。しかしサブサハラアフリカ地域では電気事業は遅れており、特に地方での電化率は非常に低いのが現状です。

電化率がまだ十分とは言えないアフリカでは、ソーラー充電キットは、人々の携帯電話利用を支えるだけでなく、どんな携帯電話ビジネスにおいても、大いに役立ち期待できるアイテムなのではないでしょうか。太陽のパワーを有効活用することはとても素晴らしいアイディアだと思いました。

 


文責:大妻女子大学4年 宮本奈央美