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【MDGs8】**スタッフブログ**ナイジェリアで日本のアニメ放送へ

          

 

日本のアニメといえば、アジア、欧米、ヨーロッパをはじめ世界各国で放送されています。私自身、カナダに留学していた時に、日本の話になると、ポケモンやワンピースなど様々な日本のアニメの名前が出てきたことがありました。あまりアニメに詳しい方ではなかったので、海外の友人に日本のアニメについて教えてもらう、なんてことも多くありました。

世界的にも人気が高い、日本のアニメがナイジェリアの大手民間テレビ局と提携し、放送されることになりました。

 

 

Taiyo チャンネル

 

今回、この事業を仕掛けたのが、貿易商社「太陽インダストリーアフリカ」です。同社の伊藤政則社長は、この事業について「日本のアニメや日本の文化を放送し、アフリカの地で子ども教育・情操教育に役立つチャンネル作りを目指す」と述べています。太陽インダストリーアフリカは、ナイジェリア国内で3位の民放のテレビ局「Channels TV」と独占契約して、24時間無料視聴(視聴の際は専用のセットトップボックスの購入が必要)の日本専用テレビチャンネル、「Taiyo チャンネル」を設置しています。伊藤社長は「日本人には幼年時代、テレビアニメを見ながら努力や友情の大切さを学んだ経験がある。アフリカの子どもたちにも同じ夢を届けたい。そのスタートラインにようやく立てた」と述べており、教育だけでなく、アニメの持つ夢やロマンをアフリカの子どもたちへ届けたいと語りました。

 

 

日本のプロダクションと共同制作

 

この事業では、アニメ製作の経験がないChannels TVが手塚プロダクションと共に、「ロボットアトム」(「鉄腕アトム」のリメイク版)を制作し、3月からナイジェリアで放送を開始しました。エンディング曲は、アフリカの人にも馴染んでもらえるように、アフリカ音楽に精通している日本のレーベル「AMP MUSIC」(代表 梅本優香里氏)が提供。音楽でも日本とナイジェリア、日本とアフリカの懸け橋となることが目指されています。日本で使われてきたアニメをそのまま放送するのではなく、ナイジェリアの人々に親しみやすいことを目指しリメイクされているのです。

 

今回制作に参加した手塚プロダクションは、ナイジェリアから3人の研修生を受け入れました。今後は、「名探偵コナン」シリーズの静野孔文監督をはじめ、日本のアニメ関係者10~15人を講師としてナイジェリアへ派遣し、ナイジェリアで日本のアニメーション技術を教える専門学校を今年の秋にも開校するそうです。

 

日本のアニメとナイジェリア

 

日本のアニメは手書きスタイルが主流です。この手法は、CG制作が主流の欧米のアニメビジネスと比較すると、コンピューターがまだ一般に普及しているとは言い難いアフリカにとって導入しやすいスタイルともいえます。

 

サブ・サハラ・アフリカ全体の約20%と言われる1億7,360万人もの人口を抱えるナイジェリアは実質経済成長率も6.6%(2012年、世銀)と高く、周辺国への経済的、政治的影響も非常に大きい国です。ナイジェリア国内のテレビの普及率は、日本の1970年前後の高度経済成長期の普及率に該当する30.77%(太陽インダストリー調べ)。現在の経済成長が継続すると考えられるアフリカでは、テレビの普及率も継続的に向上すると考えられています。そうなると、更に、日本のアニメのキャラクターのグッツの販売などまた新たなビジネスへと繋がることが期待されています。

 

 

 

日本には、欧米とは異なる、独自の発展を遂げ、海外でも高く評価されているアニメが沢山あります。

私たちは幼い頃から、アニメから、悲しみ、喜び、努力、根性、夢、愛、沢山のことを学び、アニメと共に育ってきました。ナイジェリアでも日本のアニメが普及し、伊藤社長の言うような、努力や友情の大切さなど沢山のことを学び、アニメと共に育ってくれると良いなと思いました。

 

 

 

 

文責 大妻女子大学 栗原亜実