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MDGs blog

【MDG7】**スタッフブログ** フードマイレージ

 

 

 先日、大学の授業でフードマイレージについて学ぶ機会がありました。マイレージと聞くと、航空会社のマイレージサービス思い浮かべます。何だがお得な感じ。しかし、フードマイレージは私の想像とは異なりました。

 

みなさんは、フードマイレージという言葉を聞いたことがありますか?

 

 

フードマイレージとは?

 フードマイレージ(food mileage)とは、「食料の輸送距離」の意味です。

 

食糧輸入量重量(輸入相手国別)×(輸出国までの)輸送距離=フードマイレージ

 

 フードマイレージとは食料の輸送による二酸化炭素の排出が環境に及ぼす負担の程度を示す概念です。1994年にイギリスの消費者運動家でロンドン市立大学食料政策学教授のティム・ラングが「フードマイル(food miles)」としてフードマイレージの概念を提唱したことに始まります。2001年に農林水産省農林水産政策研究所によって日本に紹介された際に、総距離・道のりなどのニュアンスを含み、航空会社等のサービスによってなじみのある「マイレージ」という言葉が使われたことから、日本ではフードマイレージという言葉で定着しています。

 

上の式からもわかるように、食品の生産地と消費地が近ければフードマイレージは小さくなり、遠くから食料を運んでくるとフードマイレージは大きくなります。フードマイレージが大きくなれば、食物を輸送する時に必要なエネルギーは多くなり、二酸化炭素の排出量は増加します。

 では、日本のフードマイレージはどうなっているのでしょうか?

 

日本のフードマイレージ 

「輸入大国日本」

 

こんな言葉を至るところで耳にするように、わたしたちの食生活はほとんど輸入に頼っています。昭和40年(1965年)の自給率が73%(カロリーベース)だったのに対し、平成18年(2006年)は39%と約半分に落ち込んでいます。この数字からも日本の自給率の低下と輸入依存が伺えます。

 その結果、日本のフードマイレージの総量は世界中でも群を抜いています。年間に排出される二酸化炭素はおよそ1.700万トン。これは1世帯あたりに換算すると1年で平均130㎏を輩出していることになります。

これが一体どれほどのものか想像できますか?

ちなみに、1世帯で1日に冷房を1℃高くすると90gの二酸化炭素を削減し、1日に1時間テレビの時間を割くと38gの二酸化炭素を削減します。つまり、仮に1日冷房の温度を一度高くし、1時間テレビを見る生活をするとしたら、2年9か月以上の二酸化炭素を消費しているのと同じ結果になるのです。

 食物が私たちの手元に届くまで、こんなにも地球と環境に負担をかけているのです。

 

私たちにできることは?

 地産地消、自給率をあげる、航空会社のマイレージカードのようにフードマイレージもサービスとして利用する、など色々なことを考えましたが、私は、田舎の祖母の家庭料理を思い出しました。「これはうちで取れた野菜だよ」「これは~さんちで取れたんだよ」と、ひとつひとつの食材がどこからきたのか、どこで採れたのか、全てわかっています。それに、季節によって変わる食材や料理、決して豪華な食事ではないけれど体に優しい、暖かい味がします。

 

みなさんは、今日食べた食材がどこからやってきたのかわかりますか?表示を見ずに言えますか?まずは、自分の食事からフードマイレージを考えてみてはいかがでしょうか。私は身近で採れ、安心して食べられる食材を使った、体に優しい祖母のような料理を作ろうと決めました。


文責:大妻女子大学 栗原 亜実