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【MDG8】**スタッフブログ** 日本のインスタントラーメン、発売!

私たちの生活にとてもなじみ深いインスタントラーメン。今回は大妻女子大学の学生さんが、このインスタントラーメンを作る日本の企業がアフリカで販売を開始する、というニュースを取り上げてくれました。




日清食品ホールディングス株式会社は、インスタントラーメンをアフリカ・ケニアで販売することを発表しました。日本の即席麺メーカーとしてアフリカに進出するのは、今回が初めてです。

ケニアの食文化に合わせて開発された同製品は、「チキン味」と「ニャマチョマ味」(ケニアで食べられる焼肉)の2種類。ケニアでは熱いスープを飲む習慣がないため、焼きそばのような汁なしのインスタントラーメンとなります。価格は30~40ケニアシリング、日本円にして約35~40円です。ちなみにケニアでミネラルウォーター1本あたりの価格は約50円。そう考えると比較的お手頃な価格と言えます。

即席麺の世界総需要は年々増え続けており、2012年には1000億食を超えました(世界ラーメン協会 2013年4月25日現在)。単純計算すると、世界中で、一人が年間に食べるインスタントラーメンは、14食。日本人にとっておなじみの即席麺は、お湯があれば簡単に食べることのできる美味しく手軽な食事として、世界から注目を集めているといえるでしょう。

 

なぜ、ケニアで?

なぜ、ケニアに販売地域を絞ったのでしょうか。

ケニアは近年、1年に約100万人もの人口が増加しています(世界の経済・情報サイトより)。そして人口の45%が15 歳未満の若年層です。今後の経済成長に大きな影響を及ぼすであろう若年層に目を付けたのです。

同社は、昼食を満足にとることのできない子どもたちへ、給食として無償でチキンラーメンを配るという社会貢献活動を2008年にケニアで行ってきました。しかしここ数年のアフリカの経済成長による社会の変化から、単なる援助の対象ではなく、ビジネスとして向き合っていくことに決めたそうです。

ケニアでは、ウガリ(トウモロコシの粉をお湯で溶いて固めたもの)やじゃがいもなどを主食にし、ニワトリや牛、ヤギなどの肉、豆や野菜のシチューなどを食べて生活しています。ケニアの食生活では麺類はなじみがないものの、ここ数年の経済成長などから、少しずつスーパーでも綿製品を見かけるようになりました。

 

TICAD Vでも紹介

今年は6月1日から3日間、5年に1回開催される、アフリカの開発に関する会議「第5回アフリカ開発会議(TICAD V)」が横浜で開催されました。会議開催に合わせてアフリカに関連した様々なイベントが行われました。そのうちの一つ、アフリカ向け商品を紹介する「アフリカン・フェア」でも、この商品が紹介されました。

以前、「韓国、アフリカ市場へ」という記事で、日本は他国に比べて進出が遅れていることを紹介しました。TICADの会議では民間主導の成長について、つまり日本企業の積極的進出の重要性が指摘されました。援助からビジネスパートナーへ。今、アフリカへの視線は大きく変わりつつあります。日清食品の取り組みに限らず、多くの企業が、アフリカへ積極的に目を向けていければと思います。

 


文責:大妻女子大学4年 望月鹿乃子