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After School Project

エチオピア料理に挑戦!

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日本にある食材を代用して、エチオピアの料理にチャレンジしました。参考にした料理本は「海を渡った故郷の味~FlavoursWithout Borders」という本で、日本にいる難民の人たちが故郷の料理を懐かしんで日本で手に入る食材を代用してつくったレシピ本です。今回はその中でエチオピアの料理を作ってみました。

 

エチオピアとは

エチオピアはアフリカ最古の独立国として有名であり、またナイジェリアに次いでアフリカで2番目に人口の多い国です。

また、世界の中で最も歴史あるキリスト教王国といわれており、古代エジプト人は「神の国」と呼んでいました。そんな歴史あるエチオピアですが、政権による反政府的な表現の自由の制限、結社の自由の制約、支配民族以外の民族の排斥等を理由に、多くの人が難民として故郷を逃れています。

2011年末で339人のエチオピア人が日本で暮らしていますが、その内訳は外交官を除けば、留学生と庇護申請者が中心です。

しかし、エチオピア人で難民認定された人は2011年末まででわずか5人。それ以外は庇護申請者です。日本は難民認定率がきわめて低いのが現状です。

参考:日経ビジネスオンライン「葛飾区に集まるエチオピア人難民」

 

 

難民とは誰なのか

難民(Refugees)とは誰か。「難民」の要件は大まかに3つあります。

①国外に避難していること

②現在迫害を受けている、または将来的に受ける可能性を有する「十分な理由のあるおそれ」を有すること

③「人種」「宗教」「国籍」「特定の社会集団の構成員である事」「政治的意見」を理由に迫害を受けていること

難民と認定を受けるには、逃げた先の国で、庇護申請を行い、難民認定を受ける必要があります。難民の認定を受けると、出身国へ強制送還されたりせず、その国で暮らす権利を得ることになります。

この他にも国内避難民といって②、③の要件を満たしているが、①を満たさない人が約2600万人いるといわれています。

参照:UNHCR駐日事務所

 

エチオピア料理

今回は掲載されているエチオピア料理の中から鶏肉煮込み料理「ドロ・ワット」、エチオピアで主食として食べられているクレープ状の「インジェラ」、「インゲン豆と野菜の炒め物」の3品を作りました。「ドロ・ワット」は様々な香辛料を入れ、少しスパイシーな味がやみつきになりました。インジェラは現地では「テフ」という穀物の粉で作りますが、日本では手に入りにくいため、そば粉を使ってつくりましたが、とても食べやすく、「ドロ・ワット」との相性も抜群でした。

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エチオピア料理は、発酵させたり煮込んだりと結構時間がかかりましたが、できた料理を食べながらまた一つエチオピアの存在が近くなった気がします。

こうして「食」という分野から、遠いアフリカを身近に感じてみるのも良いと思います。そうした関心から、人と人、国と国とが繋がっていけるのだと思いました。

 

ドロ・ワット

ドロ・ワットは鶏の煮込み料理です。アムハラ語で「ドロ」は鶏、「ワット」は煮込みという意味だそうです。実際に作ってみると、とても時間をかけて煮込んだりするので、手間をかけた料理でした。また、日本人にはあまり馴染みのないスパイスを多く使用していたので、今まで味わったことのないスパイシーな料理でした。

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〈作り方〉

まず、炒めたタマネギ、ホールトマト、7種類のスパイスを同じ割合で混ぜ合わせたミックススパイス、ニンニク、ショウガ、水を鍋に入れ、弱火で30分ほど煮込みます。

そして、鶏肉、ミックススパイス、スパイスバターを加えて、更に30分ほど煮込み、ゆで卵をトッピングに乗せれば出来上がりです!

ここに出で来るスパイスバターは、3種類のスパイスをすりつぶしたものとバターを混ぜ、鍋で30分ほど弱火で熱し、ざるでバターをこして冷やして固めたものです。

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インジェラ

インジェラは「テフ」という雑穀を用いて作られたクレープのような主食です。日本では、テフは手に入りにくいため、そば粉などで代用して日本に住む難民の方は作っています。

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〈作り方〉

そば粉、小麦粉、ドライイースト、ベーキングパウダー、ヨーグルトを混ぜてホットケーキのタネほどの固さになるまで水を加えて混ぜて、30分ほど寝かせます。

 フライパンに生地を薄くのばし、片面だけ焼き、表面が固まってきたら完成です!

 

 

インゲン豆と野菜の炒めもの

この料理は、日本人の私たちでも馴染みのある味の炒めものです。ドロ・ワットなどスパイシーな料理が多いので、インジェラでこの炒めものとドロ・ワットを包んで食べることで辛さを抑えることができます。作り方もシンプルでとても簡単でした。

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〈作り方〉

ニンジンとインゲン豆は軽く油で揚げ、タマネギ、ニンニク、ショウガ、塩コショウと一緒に炒めれば完成です!

 

 

今回エチオピア料理に挑戦してみて、いろいろなスパイスを使っていることに驚きました。きっと私達が知らないスパイスが他にもたくさんあるのだろうなと思いました。また、ドロ・ワットのように時間をかけて煮込んで作る料理もあり、エチオピア料理に初挑戦の私達は、更に時間がかかってしまい、大急ぎで完成させました・・・

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そして肝心の味の方はというと、とにかく辛い!!インジェラと一緒に食べないと辛くて大変でしたが、今まで食べたことのないスパイシーな味がとてもおいしかったです。

今度はエチオピア料理のお店に行って、自分達が作ったものと比較してみたいなと思います。

 


 

 今回エチオピア料理で参考にした書籍は、「海を渡った故郷の味 — Flavours Without Borders」は、日本にも様々な迫害から逃れてきた難民が暮らしていることを、もっと多くの方に知っていただきたいという思いから、認定NPO法人難民支援協会が、制作しました。収録されているレシピは、すべて、日本にいる難民の方から教えていただいたもの。アジア、中東、アフリカの15の国・地域出身の方々とともに、45のレシピが掲載されています。